理事長所感

理事長所感第56号「全国3位 高校生の県内就職→富山」

 全国1位は、愛知県。トヨタを始め層の厚い企業群を見るまでもなく、納得であります。第2位は、大阪府。何のランキングか?今月号のテーマどおり、新卒高卒者の地元県内の企業への就職率です。(出典:文部科学省「高等学校卒業(予定)者の就職(内定)に関する調査」) 全国1位の愛知県は、96.8%が県内に就職していますが、佐賀県は、55.8%で全国第45位、就職する高校生の実に100人に44人は県外に出て行っています。これに比べ、富山の高校生は、93%が地元に留まっていいて、県外へ出るのは、100人に7人のみということで全国3位の県内就職率になっています。                                                     

 東京駅から北陸新幹線かがやきで、富山駅まで2時間10分。(最速は、2時間8分だそうです。)都心への近接性、利便性を体感し、空路が減便されたのもやむなしと言ったところか。それにしても、富山の地元定着率の高さの秘密はなんなのか。先月末に、富山県庁の担当課にお世話いただき、富山市内の中小企業の経営者の方と意見交換することができました。
 
 お話によると、「富山と云えば「越中富山の薬売り」で知られているが、江戸時代には、領主の許可をもらい、全国に出向いて商売を行い、また、北前船の寄港地としても栄え、明治以降は、黒部川など大きな河川が7つあるが、この治水対策として、ダムの建設などを進め、豊富な電力と水を活かしてアルミ精錬とその関連産業が栄えるなど日本海側屈指の工業地域となっている。」とのこと。
さらに、「富山県の高校生の多くが地元に残っている、地元企業に就職しているということは、1企業としては、あまり意識したことはなく、何故なのか、理由はわからないが、富山は、進学率も高く県外へ出ていくが、持ち家率や3世代同居率も高く、長男は戻らなければということが意識の中にあるのではないだろうか。」とのこと。ただ、この企業自体は、日ごろから自社のPR・CMをかなり前からメディアに露出するということを意識的にしていらっしゃるようで、「これは、学生と云うより、お盆や正月に親戚が集まって子供の就職の話が出た際に、話題に上るように、むしろ保護者に対して行っているのですよ。」という言葉が印象に残りました。

 少子高齢化・人口減社会の中で、産業・経済を支える働き手をどのように確保していくのか。働き方改革や、IoT・AI、ロボット化の進展、外国人労働者の受け入れ規制の緩和等々、先が見通せない時代ではありますが、佐賀県も有効求人倍率が1.0を超える中、県内の経営者の方からは、思うような採用ができないことを良くお聞きしますし、従業者の確保環境は、更にタイトになっていくものと考えています。
いつも言っていますが、佐賀県は、99.9%は中小企業で、その中小企業にお勤めの従業者数は約91%(出典:総務省「平成26年経済センサス 基礎調査結果」)であります。 県民雇用の受け皿になっている中小企業が将来に向けて業容拡大し、働く人にとって、これまで以上に魅力ある企業に磨きをかけていくことで、地元就職を希望する高校生が増え、更には、UIJターンで佐賀県の企業へ就職を希望する人財が佐賀に留まり佐賀を目指すようになっていくのであろうと思っています。

 いずれにしても、人づくりを含めた人材の確保は、企業の発展・産業の振興に必要欠くべからざる重要な問題・課題の一つであり、当財団としては引き続き関心をもって、県や他の支援機関とも連携して対応してまいります。
 

 平成29年 6月 1日
理事長  飛  石   昇

 

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